えびげっちゅの親戚、キタホウネンエビ その1
えびげっちゅは2001年にJAMSTECむつ研究所でスタートしました。かれこれ13年も続いており、いまやJAMSTECの一般公開には欠かせないイベントになっています。
実は、僕をこれだけえびげっちゅに執心させる大切な出来事が、むつ研究所に勤務しているときににあったのです。
それはいまから9年前の2004年のこと。
僕とその友人たちからなる水中生物の愛好家のメンバーで、なんとえびげっちゅの親戚を偶然発見したのです。
その名前は「キタホウネンエビ」。感じで書くと、北豊年蝦。春の雪解け水のなかだけに発生するプランクトンで、えびげっちゅである「アルテミア・サリーナ」に非常に近縁な、日本固有の種です。肉眼で見ただけではおそらくどちらなのかすぐには分からないと思います。
このキタホウネンエビは、1956年に北海道の石狩平野で最初に発見されました。その後、高校の生物の先生をしておられた大八木昭先生によって、青森県むつ市で全国2例目の発見がなされました。1979年のことです。
そして2004年、国内3例目となるキタホウネンエビの生息地を、25年ぶりに青森県下北郡東通村で発見したというわけです。
きっかけは、当時僕と一緒にむつ研究所の研究員であった佐光宏昭さんと、管理課の甕川(みかがわ)敏暢さんが、青森県レッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種のキタホウネンエビを探しにいく、ということでした。ふたりとも、当時のむつ研きってのアウトドア派。佐光さんはトンボを中心とした生物全般に非常に詳しく、また甕川さんは山菜とキノコ取りのためなら、熊も恐れず山の中にどんどん入ってくような方です。僕は当時、キタホウネンエビなんて生き物はまったく知らなかったのですが、とりあえず面白そうだったのでいっしょについていくことにしたのです。
レッドデータブックは生物保護のため、産地についての詳細は記載されていません。そのため、どこに行けば会えるのかはまったく不明です。見つけるためには自分の足で根気よく探す必要があるのです。
僕らが向かった現場は、佐光さんが以前から気になっているという、公道からほど近い、雪のまだ残る融雪プール。4月末とはいえ、まだまだ寒い青森です。雪が深いときには閉鎖される道ですが、すでに除雪されているため問題なくアクセスできました。絶滅危惧種というくらいだから、こんなにアクセスが容易で道路に近いところにはまあいないだろう、と僕も含めた3人全員が思っていました。さっそく網を取り出して、一投めをやってみます。この辺りの水辺ではよく見かける淡水のヌカエビやスジエビはどうやらまだいないようだなぁ、水温が冷たすぎるかな、、、ん? これは何だ?見慣れない生き物だ。エビみたいだけど随分違う。
水中生物に詳しい佐光さんに声をかけて、見てもらうことにしました。佐光さんは網のなかのそれを見るなり、「うおお、いた!!!!」
へ? だって、これ一投めだよ。探し始めて1分も経ってないよ?まさかこんなありふれたところにいるわけないでしょ?
でも、確かに持ってきたレッドデータブックの写真と同じに見えます。。。。。。
え、ええ〜っ!!!!!!
さっそく1979年の発見をされた、大八木先生(当時は大湊高校の生物の先生)ご本人に連絡を取ることにしました。電話で事情を話します。するとさっそくこれから確認をしに行くというではありませんか。もう夕方で暗くなるというのに、なんという行動力!
そしてさらにこの話は、読売新聞から取材を受けて新聞に掲載されるという、意外な展開になっていくのです。
続く!!
実は、僕をこれだけえびげっちゅに執心させる大切な出来事が、むつ研究所に勤務しているときににあったのです。
それはいまから9年前の2004年のこと。
僕とその友人たちからなる水中生物の愛好家のメンバーで、なんとえびげっちゅの親戚を偶然発見したのです。
その名前は「キタホウネンエビ」。感じで書くと、北豊年蝦。春の雪解け水のなかだけに発生するプランクトンで、えびげっちゅである「アルテミア・サリーナ」に非常に近縁な、日本固有の種です。肉眼で見ただけではおそらくどちらなのかすぐには分からないと思います。
このキタホウネンエビは、1956年に北海道の石狩平野で最初に発見されました。その後、高校の生物の先生をしておられた大八木昭先生によって、青森県むつ市で全国2例目の発見がなされました。1979年のことです。
そして2004年、国内3例目となるキタホウネンエビの生息地を、25年ぶりに青森県下北郡東通村で発見したというわけです。
きっかけは、当時僕と一緒にむつ研究所の研究員であった佐光宏昭さんと、管理課の甕川(みかがわ)敏暢さんが、青森県レッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種のキタホウネンエビを探しにいく、ということでした。ふたりとも、当時のむつ研きってのアウトドア派。佐光さんはトンボを中心とした生物全般に非常に詳しく、また甕川さんは山菜とキノコ取りのためなら、熊も恐れず山の中にどんどん入ってくような方です。僕は当時、キタホウネンエビなんて生き物はまったく知らなかったのですが、とりあえず面白そうだったのでいっしょについていくことにしたのです。
レッドデータブックは生物保護のため、産地についての詳細は記載されていません。そのため、どこに行けば会えるのかはまったく不明です。見つけるためには自分の足で根気よく探す必要があるのです。
僕らが向かった現場は、佐光さんが以前から気になっているという、公道からほど近い、雪のまだ残る融雪プール。4月末とはいえ、まだまだ寒い青森です。雪が深いときには閉鎖される道ですが、すでに除雪されているため問題なくアクセスできました。絶滅危惧種というくらいだから、こんなにアクセスが容易で道路に近いところにはまあいないだろう、と僕も含めた3人全員が思っていました。さっそく網を取り出して、一投めをやってみます。この辺りの水辺ではよく見かける淡水のヌカエビやスジエビはどうやらまだいないようだなぁ、水温が冷たすぎるかな、、、ん? これは何だ?見慣れない生き物だ。エビみたいだけど随分違う。
水中生物に詳しい佐光さんに声をかけて、見てもらうことにしました。佐光さんは網のなかのそれを見るなり、「うおお、いた!!!!」
へ? だって、これ一投めだよ。探し始めて1分も経ってないよ?まさかこんなありふれたところにいるわけないでしょ?
でも、確かに持ってきたレッドデータブックの写真と同じに見えます。。。。。。
え、ええ〜っ!!!!!!
さっそく1979年の発見をされた、大八木先生(当時は大湊高校の生物の先生)ご本人に連絡を取ることにしました。電話で事情を話します。するとさっそくこれから確認をしに行くというではありませんか。もう夕方で暗くなるというのに、なんという行動力!
そしてさらにこの話は、読売新聞から取材を受けて新聞に掲載されるという、意外な展開になっていくのです。
続く!!
by kimoto1
| 2013-11-10 16:28
| えびげっちゅ